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臨床報告
眼窩内容除去術における出血量と輸血量
著者: 河野真一郎1 雨宮次生1
所属機関: 1京都大学医学部眼科学教室
ページ範囲:P.1041 - P.1043
文献購入ページに移動眼窩内容除去術は,眼科領域において最も積極的な治療法の一つであり,しばしば術中多量の出血を見,輸血を必要とすることもまれではない。しかしながらこの手術の行なわれる機会は少なく,現在まで本邦において眼窩内容除去術を行なつた症例群に関する統計的報告を,いまだ見ない。欧米においては,眼窩内容除去術を行なつた症例群につき,頻度,年齢,病理診断,予後,眼窩再構築術等についての報告を散見するもの1〜3)の,出血量および輸血に関する記載がない。
本稿は,1958年より1975年までの18年間に,京大眼科において行なわれた眼窩内容除去術に関する研究の一部である。われわれが最近18年間に行なつた眼窩内容除去術につき術中の出血量,輸血量を記録にとどめ,年齢,術式,何回目の手術かによつて,それらを比較検討し,眼窩内容除去術における術中出血と輸血について論ずる。
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