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眼・光学学会
人工水晶体の屈折力の決定方法について
著者: 小口芳久1 A.Th.M.2
所属機関: 1慶応義塾大学医学部眼科学教室 2
ページ範囲:P.1107 - P.1111
文献購入ページに移動人工水晶体の屈折力を術前に決定することは,理論的には困難でないが,術後に眼球の屈折性諸因子が変化することが考えられるので,必ずしも容易ではない。今回,著者は82例の白内障の症例について,術前に角膜曲率半径,前房の深さ,眼軸を測定して,これより屈折力の一定のStandard lens (Binkhorst1)のIris clip lensまたはWorst2)のMedallion lensのいずれもconvex—planoのレンズ)を眼内に挿入した後の屈折の期待値を計算し,術後の真の屈折と比較検討を試みたのでその成績を報告し,片眼白内障で他眼の視力の良好な場合,使用する人工水晶体の屈折力を正視化するような度(Em—metropizing power)にするかまた健眼との関係を重視して等像化するような度(Iseiconizing power)にするか,あるいは一定の屈折力(Standard power)をもつた標準レンズだけで十分であるかなどの問題について検討を試みたので,あわせて報告する。
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