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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科31巻1号

1977年01月発行

特集 第30回日本臨床眼科学会講演集 (その1)

学会原著

ベーチェット病患者の血液pHとKininの関係

著者: 宮永嘉隆1 水谷敏子1 梯やよい1

所属機関: 1東京女子医科大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.43 - P.48

文献概要

緒 言
 ベーチェット病をはじめとする炎症性疾患におけるkinin系の動態は,その炎症症状が増悪している時期を頂点として,kallikreinにおいては,やや低値を示し,bradykinin活性は増強する。一方,kininaseはhypopyonなどの炎症極期には,極めて活性低下の著しいものが多い事実をすでに著者らは報告した1)。生体中でのこういつたautacoid2),特に,kinin, kininaseの関係はそのpHにより非常に大きな影響をうけるであろうことは想像に難くない。すなわち,bradykininをはじめとするplasmakininはpHが酸性であればあるほど,安定であり,容易に活性化される。逆にアルカリの状態ではkininaseが安定で活性化され,pH 6.5附近ではkininase活性はほとんど100%失活してしまう事実がある。こういつたことから,今回,著者らは,生体中,特に血液pHの影響をkinin systemが,どの様に受けるかを検討すべく,ウサギを使用して基礎実験を行ない,更にこれをうらづけるべく,ベーチェット病をはじめとするブドウ膜炎の患者における血液pHとKinin systemの関係を検討し,興味ある事実を得たので報告する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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