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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科31巻1号

1977年01月発行

文献概要

特集 第30回日本臨床眼科学会講演集 (その1) 学会原著

強度近視と黄斑部血管新生

著者: 袖野吉高1

所属機関: 1群馬大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.93 - P.106

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緒 言
 多彩な黄斑部病変の解釈には難解なものが多い。黄斑部の瘢痕形成,出血も例外ではない。近年になり,黄斑部の脈絡膜由来の血管新生が老人性円盤状黄斑部変性症8),眼ヒストプラズマ症12,16),網膜色素線条10),脈絡膜腫瘍および病因不明の黄斑部血管新生9)等に証明されて注目されてきた。
 強度近視におけるFuchs' spotは衆知のことであるが,この一連の変化として,特発性黄斑出血,黄斑部瘢痕形成,色素斑形成等が認められる。強度近視の黄斑部病変は,眼球伸展による変性萎縮と解釈され,その具体的な発生機序は未だ十分に説明されていない。黄斑部病変に脈絡膜由来の血管新生が関与していることは強く推定されているが,その病態の把握には螢光眼底造影法が最も効果的であるものの,螢光眼底造影法により強度近視眼に黄斑部の血管新生を証明したものはない。血管新生と思われる症例さえ,螢光眼底造影による脈絡膜由来の血管新生の造影所見の特徴および,判定基準が無いため,その判定には苦慮する場合が多い。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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