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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科31巻10号

1977年10月発行

眼科動物園・3

犬と猫の眼

著者: 安部勝人1

所属機関: 1安部動物病院

ページ範囲:P.1275 - P.1277

文献概要

 犬の眼窩を構成する骨は前頭骨,涙骨,蝶形骨,口蓋骨,頬骨,上顎骨の六つの骨であるが,完全な骨性の眼窩輪でなく,外側の前頭突起と頬骨突起は眼窩靱帯で結ばれている。犬は種類により頭骨の形態が異なる(長頭種,コリー種など,中頭種,ポインター種など,短頭種,狆,ブルドック種など)。頭骨の形態により眼窩の形や血管,神経の走行も違つてくる。一般に犬の解剖について論じられているのは中頭種が基本となつている.狆などの短頭種では涙骨の発達が悪いため上顎骨がこれを補う形体となつている。
 猫の眼窩は全頭蓋の大部分を占め,蝶形骨,上顎骨,涙骨,頬骨の四つの骨で眼窩を構成し外側は眼窩靱帯で結ばれている。ただ蝶形骨が2枚の骨枚(眼窩蝶形骨翼,蝶形骨翼状突起)からなり,これらの骨に眼窩孔が開口している。前頭骨に眼窩上孔はない。犬,猫とも眼窩から最後上臼歯の近くの口内に頬骨腺と呼ばれる唾液腺が開口している。そのため上臼歯の歯牙疾患が眼窩に波及することがある。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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