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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科31巻11号

1977年11月発行

文献概要

臨床報告

Acute posterior multifocal placoid pigment epitheliopathyと思われる急性網膜色素上皮症の2症例

著者: 越生晶1 三浦敬子1 大熊紘1 加賀典雄1 福味陽次1 宇山昌延1

所属機関: 1関西医科大学眼科学教室

ページ範囲:P.1347 - P.1354

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緒 言
 急性後極部多巣性鱗状網膜色素上皮症acuteposterior multifocal placoid pigment epitheliopathy(以下APMPPEと略する)は1968年,Gass1)により命名された疾患であり,眼底後極部網膜深層に散在性の黄白色円形滲出斑を多発し,視力障害をきたすが,比較的短期間で軽快し,あとに永続する網膜色素上皮障害を残す。しかし視力予後は良い両眼性の疾患である。Gass1)は感染あるいは毒性因子による網膜色素上皮の急激な反応であろうと推察した。その後Ryan,Maumenee2)の報告によつて,本症の臨床的概念は一層明確となり,Gass1)の述べた疾患はほぼ確認された。
 その後は多数の症例報告があるが,未だその原因は明確ではない。かつまた,その病態に関しても,原発病変が網膜色素上皮にあるとする考えと,脈絡膜毛細血管板にあるとする考えが存在する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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