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臨床報告
未熟児網膜症の螢光眼底所見—通常の眼底カメラ(直像式)による撮影結果
著者: 高木郁江1 岡義祐1 西村みえ子1
所属機関: 1九州大学医学部眼科学教室
ページ範囲:P.1371 - P.1375
文献購入ページに移動未熟児網膜症は網膜の血管に病変が原発する疾患であるから螢光眼底撮影がその病態の解明および治療指針に有力な役割を果たすであろうことは想像に難くない。最近本邦でも患児の全身状態の不良であることや,眼底周辺部撮影における困難さなどをのりこえて本症の螢光眼底撮影を行なつた報告が二,三1,2)みられる。しかしこれらの報告で用いられた倒像眼底撮影にはかなり面倒な撮影技術を必要とし,あるいはカメラ固定のための特殊装置を設置しなければならない。そのため同一症例の経過を追つたものも余りないようである。
私たちは治療に対する適応がみとめられる症例の多くでは,その病変が赤道部,あるいはそれより後方に存在することに着目し,これらの症例に対して普通の眼底カメラ(Olympus GRC-ⅡS型,Topcon TRC-FET型)を用いて螢光眼底撮影を行ない,十分利用できる写真と若干の知見を得たので報告する。
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