文献詳細
臨床報告
文献概要
緒 言
一般に,悪性腫瘍の眼窩内転移は比較的稀なものとされている上に,皮膚悪性黒色腫は皮膚悪性腫瘍の数%を占めるにすぎないものである1)ことからみて,その眼窩内転移は極めて稀なものと推測される。著者の調査した範囲では悪性黒色腫の眼窩内転移例として,1894年のPolignaniの1例2)を嚆矢とし,16例を数えるが,そのうちで皮膚を原発とすることを記しているものは9例にすぎない。
著者は皮膚を原発とし,全身性転移を呈して死亡するに至る経過中に,左眼眼球突出を来たし,死亡後,眼窩内における悪性黒色腫の転移巣を確認しえた症例を経験したので報告する。
一般に,悪性腫瘍の眼窩内転移は比較的稀なものとされている上に,皮膚悪性黒色腫は皮膚悪性腫瘍の数%を占めるにすぎないものである1)ことからみて,その眼窩内転移は極めて稀なものと推測される。著者の調査した範囲では悪性黒色腫の眼窩内転移例として,1894年のPolignaniの1例2)を嚆矢とし,16例を数えるが,そのうちで皮膚を原発とすることを記しているものは9例にすぎない。
著者は皮膚を原発とし,全身性転移を呈して死亡するに至る経過中に,左眼眼球突出を来たし,死亡後,眼窩内における悪性黒色腫の転移巣を確認しえた症例を経験したので報告する。
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