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臨床報告
脈絡膜循環障害によると思われる急性網膜色素上皮症の症例
著者: 越生晶1 加賀典雄1 土井治道1 大熊紘1 宇山昌延1
所属機関: 1関西医科大学眼科学教室
ページ範囲:P.1439 - P.1444
文献購入ページに移動原発性あるいは続発性赤血球増多症の眼症状については多くの報告をみるが,それらは球結膜の充血1),網膜静脈の拡張と蛇行2),網膜深層あるいは表在性の出血2,3),視神経乳頭の浮腫や萎縮2〜4),網膜中心静脈血栓症3)などであり,脈絡膜の循環障害をきたしたと思われる報告は少ない5,6)。
また,近年,脈絡膜血管構築に関する実験的研究と螢光眼底撮影法により,脈絡膜血管の循環障害による眼底病変が注目されつつある。Amal-ric7〜9)は後毛様動脈の閉塞によつて起こる扇形の脈絡膜萎縮をtriangular syndromeとよび,Hayreh10,11)も実験的に類似した病変を確認している。さらにgeographic helicoid peripapillarychoroidopathy12)に代表される一連の地図状網脈絡膜萎縮をきたす疾患やacute posterior multifocal placoid pigment epitheliopathy13)などでも脈絡膜の血管障害との関連性が強調されている。
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