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臨床報告
眼障害をきたした副鼻腔嚢腫のC.T.像
著者: 近藤和義1 三嶋弘1 日比野弘道2
所属機関: 1広島大学医学部眼科学教室 2広島大学医学部脳神経外科学教室
ページ範囲:P.1451 - P.1457
文献購入ページに移動眼窩内病変に対する臨床検査として従来より,単純撮影。断層撮影・血管撮影等が行なわれているが,病巣の種類および位置によつては必ずしも満足すべき情報を得ることができなかつた。1967年以来Hounsfieldによつて開発されたC.T.(Computed Tomography)は,X線断層撮影にコンピューターによる解析を組み込んだもので,1973年には実用化され,現在では眼窩内病変に対する最も有用な放射線診断装置として評価されている。眼窩内腫瘍のC.T.像は既に多数が報告されているが,副鼻腔嚢腫のC.T.像の報告はきわめて少ない。
今回われわれは,手術によつて副鼻腔嚢腫と確認された3例と,臨床的に副鼻腔嚢腫と診断された1例の計4例の副鼻腔嚢腫に起因する眼障害例について,主としてそのC.T.所見を検討したので報告する。
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