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特集 第30回日本臨床眼科学会講演集 (その2) 学会原著
網膜小動脈瘤の7例
著者: 吉岡久春1 杉田隆1 山口佳生1
所属機関: 1久留米大学医学部眼科学教室
ページ範囲:P.175 - P.186
文献購入ページに移動網膜の小動脈にみられる孤立性の動脈瘤に関する報告は,古くより,Raehlmann13),Pringle12),Jennings7),Fernandez4),Ballentyne1)らの報告があり,わが国では1969年下奥17)の報告がある。われわれの一人杉田は,1976年第133回九大眼科研究会の席上,同様の3例について報告した。その後二,三の論文18,20,21)が散見されるようになつたが,これらはほとんどが1例報告である。
多数例の記載は,1973年Robertson15)がその13例について報告したのが最初であり,その後Lewisら9),Nadelら11),Shultsら16),およびClearyら3)がまとまつた症例を報告している。Robertsonは本疾患を一つのclinical entityと考え,網膜小動脈のmacroaneurysmsなる名称で呼ぶことを提唱したが,彼はその判定基準として, ①動脈瘤は第3分枝以内の小動脈にみられること。②その周囲に限局性に出血斑と輪状滲出斑がみられること。③その部に一致し暗点を伴い中心視力が低下すること。④高血圧や動脈硬化症のある高齢者に多いこと。および,⑤動脈瘤は線維化し,特別な治療なく自然寛解することなどをあげている。
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