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特集 第30回日本臨床眼科学会講演集 (その2) 学会原著
比較的急速な視力障害と特異な眼底像を呈した夜盲症
著者: 木村肇二郎1 植村恭夫1 小口芳久1 八百枝浩2
所属機関: 1慶応義塾大学医学部限科学教室 2八百枝眼科医院
ページ範囲:P.247 - P.253
文献購入ページに移動夜盲を示す眼疾患ことにTapeto-retinal orChoroidal Dystrophyは,最近,遺伝学的,代謝の面,さらにはERG, EOG, VEPなどの電気生理学的な面,螢光眼底撮影法,病理学的研究より新しい病型の存在も報告され,また,古典的分類に再検討を加える必要性が提唱されてきている。
小児期の視覚障害の原因として,欧米においては,Tapeto-retinal Dystrophyが次第に大きな比重を占め,わが国でも漸く小児期のこれら疾患群に注意が喚起されてきた。今回著者らは,7歳の女児で比較的急速な視力障害と特異な眼底像を呈し視野,暗順応,FAGおよび電気生理学的検査により広範な網膜外層の変性疾患と診断されるに至つたきわめてめずらしい夜盲症の1例を経験したので,その特徴的臨床所見および諸検査成績につき述べるとともに他の類似疾患との鑑別についても考察を加えたのでここに報告する次第である。
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