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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科31巻2号

1977年02月発行

文献概要

臨床報告 カラー臨床報告

Ligneous Conjunctivitisの1例

著者: 有賀和雄1 新富芳子1

所属機関: 1北海道大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.277 - P.283

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緒 言
 Ligneous conjunctivitisは,1924年,Ligo-Paviaにより初めて記載され,1935年Borel1)によりLigneous conjunctivitisと名づけられた。本症は,慢性で再発を返繰す偽膜性結膜炎のきわめてまれな型で,一般に両眼の瞼結膜に肥厚した偽膜を形成し,しばしば角膜障害を伴ない,まれに角膜穿孔を起し失眼にいたることがあるといわれている2,3)。現在までにその報告例は100例にも満たず,本邦では,小口4)が,慢性義膜性結膜炎の名のもとに記載した2例の兄弟例の報告があるのみである。1968年François等2)は,本症の偽膜の組織化学的検索により,酸性ムコ多糖体の異常沈着を証明し,α-キモトリプシン,ピアルロニダーゼの局所療法が有効である事を述べている。
 今回,我々は,本症の典型例を経験したので,その臨床所見と治療成績を記載し,さらに,偽膜組織を組織化学的ならびに電子顕微鏡的に検索したので併せ報告する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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