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特集 第30回日本臨床眼科学会講演集 (その4) 学会原著
Sjögren症候群の臨床病態について
著者: 北野周作1 竹中剛岩1 杉田由紀子1 植田達子1 小杉知子1
所属機関: 1日本大学医学部眼科学教室
ページ範囲:P.475 - P.481
文献購入ページに移動1933年にSjögren1)が乾性角結膜炎,耳下腺腫脹に慢性関節リウマチ(以下RA)を合併した症例を報告して以来,40年近い歳月を経ているが,特に最近になつて,Sjögren症候群(以下SS)に対する関心がたかまり,日本では1975年難病の一つに指定されている。
しかし,SSが,涙腺,唾液腺をtarget organとするsicca syndromeを主体とする独立疾患か,Systemic Lupus Erythematodes (以下S-LE)のchronic benignの型か,RAの合併症にすぎないのか,あるいはRAのvarianttypeであるのかなど,SSの疾患としての位置づけは,いまだに明確にされていない現状である。今回,われわれはSSの病態解明の一助として,眼科受診中の原発性乾性角結膜炎(以下KCS),および当付属病院整形外科のRA外来に受診中であるが,眼科には未受診の患者の2群について,臨床病態の比較検討を行ない,いささかの知見を得たので報告する。
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