文献詳細
特集 第30回日本臨床眼科学会講演集 (その4)
学会原著
春季カタルにおける局所および血中免疫グロブリン—Ⅰ.局所の免疫グロブリン保有細胞
著者: 湯浅武之助1 日山英子1 西素子1 堀知子1 三村康男1
所属機関: 1大阪大学医学部眼科学教室
ページ範囲:P.483 - P.487
文献概要
春季カタルは眼科領域における典型的なアトピー性疾患,すなわち遺伝的な体質もしくは素因を伴うアレルギー性病変である。春季カタル本来の炎症は即時型反応であり,Coombs&GellのⅠ型アレルギー1)に相当する病変であるが,結膜局所における病変は慢性の経過をとり完治し難いものである。本症患者の結膜においては,当然Immunoglobulin E (IgE)による反応が存在するはずであり,同時にこの即時型アレルギー反応を修飾する他の免疫グロブリンも何らかの消長を示すはずである。しかし,これまで春季カタルにおける眼局所での病変をアレルギー学的な立場から解析した研究はほとんどみられない。今回は結膜および涙腺における免疫グロブリン産生を行なう形質細胞を中心とした病理組織学的所見について検討した結果を報告する。
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