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特集 第30回日本臨床眼科学会講演集 (その4) 学会原著
Orbital Scintigraphy (第2報)—眼窩および眼窩周辺部腫瘍における骨シンチグラムの診断的意義について
著者: 能勢晴美1 中村泰久2 能勢忠男3 有水昇4
所属機関: 1筑波大学臨床医学系(眼科) 2千葉大学医学部眼科学教室 3筑波大学臨床医学系(脳神経外科) 4千葉大学医学部放射線医学教室
ページ範囲:P.501 - P.508
文献購入ページに移動眼窩腫瘍,あるいは眼窩近傍部の腫瘍の診断上,更には治療方針の決定に際して,その骨変化の有無を知ることは大切なことであり,したがつてX線撮影の持つ意義は大きい。実際にX線上で骨変化が捉えられるのは30〜50%以上のCaの移動があつた場合であるといわれる1)。一方,骨スキャンはこれより早期に骨変化を捉えることができ,特に癌の転移の早期発見に有用であるといわれている。他科領域においては骨スキャンの報告例も多く,その有用性が高く評価されているが2〜5)眼科領域においては本検査法を評価した報告は著者らの知りえた範囲では見出されなかつた。
先に著者らは眼窩腫瘍例に99mTc-pertechne-tateによるシンチグラフィーを行ない,その診断的有用性につき報告した6)。今回はその骨変化に主眼をおき中眼窩腫瘍例ならびに眼窩近傍腫瘍で何らかの眼症状をきたした症例につき骨スキャンあるいは骨シンチグラフィーを行ない,併せて頭部単純X線写真との比較検討を行なつたのでここに報告する。
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