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特集 第30回日本臨床眼科学会講演集 (その4) 学会原著
眼窩骨折の臨床経過および予後
著者: 中川喬1 木村早百合1 中嶋乃婦子1 槇本真理子1
所属機関: 1札幌医科大学眼科学教室
ページ範囲:P.509 - P.513
文献購入ページに移動眼窩骨折は骨折の形により臨床所見,経過がことなつている。著者らは眼窩骨折153症例(男131,女22)の眼機能障害を長期間観察したので報告する。眼窩骨折は多様性に富み,一概に分類するのは容易でないが,今回は著者らが1971年に発表した眼窩骨折の分類1)にしたがつた。眼窩上壁および下壁骨折の合併例が多く,その臨床所見が特有だつたので独立した項目にした。下壁骨折とは頬骨上顎骨骨折またはブロウアウト骨折のことである。ブロウアウト骨折Ⅱ型は1症例であつたため,Ⅰ,Ⅱ型の分類は行なわなかつた。粉砕骨折はLe Fort Ⅱ,Ⅲ型の合併例とも考えられるのでLe Fort型骨折とした。眼窩尖端部骨折のうち,視束管骨折はかなりの症例があつたが,このグループは他の型の骨折と性格をことにするので今回の統計から除外した。
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