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特集 第30回日本臨床眼科学会講演集 (その4) 学会原著
小児の屈折矯正に関する研究—第2報 斜視を伴う遠視の経年変化—その1 固視眼,斜視眼との屈折度変化
著者: 湖崎克1 山崎康宏1 中岸裕子1 鈴木章子1 八木真知1 岩井寿子2
所属機関: 1大阪市立小児保健センター眼科 2国立大阪病院視能訓練学院
ページ範囲:P.553 - P.558
文献購入ページに移動小児の視機能の発達に遠視が及ぼす影響の大きいことは衆知のことである。小児の遠視は調節性内斜視,屈折性弱視,不同視弱視の原因となりやすいため,できるだけ早期に屈折矯正をしなければならない。
小児の遠視の屈折矯正には,調節麻痺下屈折検査値から生理的トーマス分として,0.5D〜0.75D差し引いた値を用いることが原則であることは,丸尾1),粟屋2),らが述べているごとく間違いのないこととは考えるが,長期に永続的に小児遠視に完全矯正眼鏡を用いていると,遠視度の減弱という経年変化に対応しえないで,時には内よせ不全をみることもあることから,筆者3,4)は遠視の屈折矯正は常に経年変化やよせ運動に配慮をはらうべきであると考え主張している。
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