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特集 第30回日本臨床眼科学会講演集 (その5) 学会原著
中大脳動脈閉塞症と視機能との関係
著者: 月花一1 中川好江1 谷口重雄1 矢田清身1 塩川健1 小道末登1 荻野総夫1 松井将2 劉弘文2
所属機関: 1昭和大学医学部眼科教室 2昭和大学医学部脳神経外科
ページ範囲:P.645 - P.649
文献購入ページに移動中大脳動脈閉塞症は外傷性,特発性を含めて比較的珍しい疾患とされているが,本症の性格から主として脳外科領域での症例および研究の報告がなされている。中大脳動脈は大脳半球外側面の大部分の皮質と深部の髄質とを栄養している。この閉塞のために昏睡状態を惹起し,中心前回,中心後回の大部分が含まれるために片麻痺および反射知覚脱失,さらに視放線の障害のために反対側の同名半盲が現れるほか優位半球の場合には言語障害が現れる。また場合によつては生命の危機すら招来することがある。本症は一般に片側性の場合が多く報告されている。
今回われわれは本症に一般に見られる症状を示さず,特に視機能障害を呈した両側中大脳動脈閉塞症を経験したので,本症と視機能との関連性についての検討を試みた。
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