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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科31巻5号

1977年05月発行

特集 第30回日本臨床眼科学会講演集 (その5)

学会原著

水晶体吸引術中の散瞳保持

著者: 澤充1 増田寛次郎1

所属機関: 1東京大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.673 - P.676

文献概要

緒 論
 軟性白内障に対する手術術式はScheie1)の発表以来,水晶体吸引術が主として行なわれるようになり,種々の方法,器具が考案されて来た。我我はBarraquer2)の術式を基にした,灌流および吸引用の2種類のカニューレを使つて吸引術を行なつている3)。多くの著者の一致した強調点は術中の十分な散瞳の保持である。術後の合併症の主体をなす虹彩後癒着とこれにともなう瞳孔変形は,水晶体を十分吸引することにより除去できる問題であり,かつこれを可能ならしめるのは術中の散瞳保持と考えられる。
 しかし我々は吸引を行なつている間に縮瞳を来し虹彩のうしろにある水晶体を吸引することが困難であり,かつ危険となる例を数々経験する。再度散瞳させることはアトロピン等を使用しても不可能である。こうした際の処置についてGirard4)は1,000倍エピネフリンを灌流液中に滴下するとよいと述べている。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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