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特集 第30回日本臨床眼科学会講演集 (その5) 学会原著
単性緑内障患者のOphthalmodynamography所見について
著者: 荒川陽子1 大島健司1 多比良久美子1 岡嶋由布子1
所属機関: 1福岡大学医学部眼科教室
ページ範囲:P.687 - P.693
文献購入ページに移動緑内障における視神経障害の原因に関しては,種々の説が唱えられているが,最近視神経自身の血流障害に求める説が有力である1〜4)。すなわち,正常眼においては,眼圧と視神経の血流は一定の平衡関係を保つているが,眼圧の上昇や視神経自身の血管障害などにより,この平衡関係がこわれると,視神経に対する血液供給の不足がおこり,その結果二次的に視神経障害がおこつてくるというのである。
これを裏付けるために,Ophthalmodynamo-meterを用いて眼圧を上昇させ,眼圧の上昇による血流の変化が視野にいかなる影響をおよぼすかを測定した結果,眼圧の上昇につれて視野の鼻側沈下や,Bjerrumの暗点が出現したり5),緑内障進行眼では,健常者に比べてわずかの眼圧の上昇で視標の消失が認められたという報告などがある6)。
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