文献詳細
臨床報告
網膜剥離手術におけるRadial Buckling の応用
著者: 檜垣忠尚1 松山道郎1 難波彰一1 山田いほ子1 大沢英一1
所属機関: 1大阪市立大学医学部眼科学教室
ページ範囲:P.717 - P.721
文献概要
網膜[剥]離手術に対するscleral bucklingにおけるPlombe縫着の方向は radialとcircum-ferentialとに2大別される。最近まで広く行なわれているのはcircumferential bucklingである。近年radial bucklingの効用を主張したLincoff (1965)の報告にはじまり,1975年には,同氏等が数学的解析を行ないradial bucklingの方がより望ましいと望べている。我々は後極部を,周辺部網膜にある裂孔よりblockするという目的を第一義的に考え,現在までcircumfer-ential bucklingを行なつてきたが,その裂孔の形,大きさ,位置および剥離の状態によつてはradial bucklingの方が望ましく,また,深部裂孔においては技術的にも本法による操作が比較的容易である事より,今回3例にradial bucklingのみを行ない,9例にcircumferential buckli-ngにradial bucklingを併用し,全例ともに復位に成功し,術後6カ月間以上にわたり経過を観察しているが,認むべき合併症もみられなかつたので,今回報告する。
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