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特集 第30回日本臨床眼科学会講演集 (その6) 学会原著
Trabeculectomyの術後成績
著者: 望月学1 高瀬正弥2 北沢克明1
所属機関: 1東京大学医学部眼科学教室 2東京大学医学部眼科学教室(分院)
ページ範囲:P.797 - P.802
文献購入ページに移動TrabeculectomyはCairns1)およびWat-son2)の報告以来,緑内障手術として広く行なわれるようになつた。その眼圧下降効果のメカニズムに関しては,初期の段階ではSchlemm氏管を通る房水流出路の再建という見解1)であつたが,その後external filtrationを示唆する報告2〜11,13,14)が多い。Trabeculectomyの利点としては眼圧下降効果が安定して2〜4,6〜14),術後偶発症の少ないこと1〜14)があげられている。
現在,東大眼科においては,従来の濾過手術の適応となる症例のほぼ全例にTrabeculectomyを行なつており,その長期観察例も多数に至つた.本邦では後術長期にわたる観察例の報告は少数を見るのみで11〜14),また,従来の濾過手術と術後成績を比較検討した報告を見ない。今回,われわれのTrabeculectomyの術後成績を検討し,また,過去に当教室で施行した古典的濾過手術の代表といえるScheie氏手術の術後成績とも比較検討したのでここに報告する。
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