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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科31巻6号

1977年06月発行

文献概要

臨床報告

Marin-Amat症候群とその筋電図所見

著者: 安部修助1 丸尾敏夫1

所属機関: 1帝京大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.829 - P.832

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緒 言
 顔面神経麻痺後に,下部表情筋の作用と同時に,不随意的に眼輪筋も収縮し,瞼裂が狭くなるという異常連合運動は,Marin-Amat症候群と呼ばれている。1918年Marin-Amatにより記述されて以来世界で数十の報告例がある。病因に関しては,以前顔面神経と三叉神経の異常連絡であるという説があつたが,現在は顔面神経核への抑制機構の障害または再生神経のmisdirectionという説が有力となつている。その際,表情筋と眼輪筋との間の異常連合であることの証明には筋電図検査が不可欠である。のみならず,表情筋の作用時に瞼裂が狭くなり,一見本症候群のようであるが,眼輪筋の収縮ではなく,眼瞼挙筋の弛緩により,瞼裂の狭小化のおこつている異常連合運動すなわちparadoxical levator inhibitionもあり,筋電図検査なしには本症候群であるとの確定診断はなしえない。しかしながら,著者らの検索したかぎりの本症候群についての報告例では,筋電図検査の行われているものは,まれであり,行われているものでも,表情筋と眼輪筋のものだけで眼瞼挙筋についても検査されているものはなく,完全なる確定診断とはいい難い。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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