icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床眼科31巻6号

1977年06月発行

文献概要

臨床報告

網膜下液排除を行なわなかつた剥離手術眼の検討

著者: 安藤文隆1 佐竹成子1 加藤美代子1 市川宏1

所属機関: 1名古屋大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.833 - P.838

文献購入ページに移動
はじめに
 網膜剥離の手術に際しては,剥離がある程度以上存在し,また一定期間以上続いている症例では,一般には網膜下液の排除がなされて来た。この網膜下液を排除する際には,網膜下出血,脈絡膜出血,硝子体出血,網膜裂孔形成,硝子体脱出,網膜嵌頓,脈絡膜剥離などの合併症も多数報告されており,これら合併症の中でも,脈絡膜出血が最も扱いにくいものであるとして,出血させない様注意する必要性を強調している1)。われわれもまた,脈絡膜出血のために,術後完全復位しながら,あまりよい視力が得られなかった苦い経験ももっている2)
 Freemannら3)もこの脈絡膜出血の合併症をさけるため,transilluminationによりvortexveinの膨大部を見きわめて,その部をさけて穿刺を行う方法を勧めている。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?