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総説
眼内barrier機構とその臨床的意義
著者: 塩瀬芳彦1
所属機関: 1愛知県総合保健センター眼科
ページ範囲:P.875 - P.887
文献購入ページに移動緒 言
生体内に各種barrierが存在する意義は血液または他のmediumから機能組織を保護するとともに,有用物質の選択透過,不用物質の排除などにより至適な生物環境を維持することにあると思われる。
眼内barrier(blood-ocular barrier)としては血液−房水1〜3),血液−網膜1,2,4〜6),血液−視神経barrier7〜9)などが関心を集めているが,これらの多くはtracerを用いた形態学的研究が主体であり,これにより証明されるのはいわゆるstru-ctural barrierと考えられる。一方,生体における電解質やホルモン,薬物などの組織移行はそれぞれのbarrierで選択透過がなされるが,これはbarrierの機能的側面を表わしている。すなわちこれがphysiological barrierであり,その全貌は明らかではないが少なくともstructuralbarrierはもちろん,介在する細胞機能も含めた,より高次の"barrier complex1,2)"として理解されよう。
生体内に各種barrierが存在する意義は血液または他のmediumから機能組織を保護するとともに,有用物質の選択透過,不用物質の排除などにより至適な生物環境を維持することにあると思われる。
眼内barrier(blood-ocular barrier)としては血液−房水1〜3),血液−網膜1,2,4〜6),血液−視神経barrier7〜9)などが関心を集めているが,これらの多くはtracerを用いた形態学的研究が主体であり,これにより証明されるのはいわゆるstru-ctural barrierと考えられる。一方,生体における電解質やホルモン,薬物などの組織移行はそれぞれのbarrierで選択透過がなされるが,これはbarrierの機能的側面を表わしている。すなわちこれがphysiological barrierであり,その全貌は明らかではないが少なくともstructuralbarrierはもちろん,介在する細胞機能も含めた,より高次の"barrier complex1,2)"として理解されよう。
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