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臨床報告
緑内障の集団検診成績—第2報 Follow-up成績
著者: 諫山義正1 溝上国義1 林栄一2 今村秀夫2 小川捨雄3 五藤宏3 山中昭夫4
所属機関: 1神戸大学医学部眼科学教室 2新日鉄広畑製鉄所健康管理 3新日鉄広畑製鉄所病院 4神戸海星病院
ページ範囲:P.915 - P.921
文献購入ページに移動緑内障,特に単性緑内障は無自覚,無症状の内に発病し,また進行する疾患である事は衆知の事実であり,この早期発見における集団検診の役割は大きく,価値あるものである。一方,高眼圧を示す者1),また乳頭陥凹の大きな者2〜4)が必ずしも視機能障害を来たすわけではなく,緑内障の発症については不明の点が多い。われわれは,1972年,新日鉄広畑製鉄所従業員中,40歳以上の男子1,128名に対して,眼圧測定および乳頭所見による集団検診を行い,0.8%の緑内障を検出した5)。以後毎年,冬期(1〜3月)に同様の方法で検診を行い,現在までに3,639名の検診を終了した。一次スクリーニングの陽性者に対して,種々の緑内障検査を行い,この内,視機能障害はみとめられないが,眼圧調整機能の変化が疑える群を,加療を行う事なく,最長4年にわたり厳重にfollow-upし,緑内障発病の機転および期間につき検討した。更に,一次スクリーニングで正常と判定された対象群についても,3年の後に再び,同様の検診を行い,緑内障の新発生について検討した。
また前報5)において,緑内障集団検診を眼圧のみで行う事は危険であり,視野スクリーニングを行う事の重要性について述べたが,現在までに,前記の集団検診受診者中2,788名に対して,われわれの考按した簡易視野測定用紙5)による視野スクリーニングを終了した。
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