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黄斑部低形成症の2家系
著者: 岡山良子1 豊福秀尚1 大蔵文子1 何千恵子1
所属機関: 1熊本大学医学部眼科学教室
ページ範囲:P.959 - P.965
文献購入ページに移動黄斑部の発生異常である黄斑部低形成症は,稀にみる疾患である。本症は小児に,弱視のため発見されることが多い。また小眼球症・脈絡膜および虹彩毛様体の欠損症・無虹彩症・視神経欠損症・網膜有髄神経線維などに合併して起ることが多いといわれている1)。最近私たちは上記合併症を伴わない黄斑部低形成症の2家系を経験した。その1家系は4代にわたる常染色体優性遺伝と思われ,他の1家系は同胞間3名に発症した家系であつた。常染色体優性遺伝を示した症例は現在までに報告がなく,本例がはじめてであると思われる。おのおのの家系の発端者を中心に両家系の臨床調査を行なつたので,施行した検査項目とそれに対する考察を加え報告する。
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