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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科31巻8号

1977年08月発行

文献概要

臨床報告

難治性春季カタルの治療—Triamcinolone acetonide局所注射

著者: 望月学1 新家真1 太田陽一1 崎元卓2 谷島輝雄1

所属機関: 1東京大学医学部眼科学教室 2同愛記念病院眼科

ページ範囲:P.1039 - P.1046

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緒 言
 春季カタルの病因は,主に眼局所における一種のアレルギー反応1〜3)と考えられており,組織学的所見4,5)および免疫学的所見6)もこれを支持している。したがって,ステロイド剤点眼1,7)および種々の抗アレルギー剤8〜10)は春季カタル治療の良い適応であり,その使用報告例が多数みられる。しかし,これらの治療に抗し,角膜障害を併発したり経過が遷延する難治性のものが,しばしば見られる。これらに対しては,ステロイド剤全身投与1)や結膜乳頭への外科的手段1,11)が用いられるが,効果が一時的であること,さらに副作用の点から長期間の治療に適さないなどの問題がある。
 ステロイド剤を用いる場合,局所組織内により高いステロイド濃度を得るには,局所注射が点眼および全身投与に比し優れている。この場合,一回の局所注射で組織内にステロイドが高濃度かつ長時間存在することか望ましく,難溶性のステロイド製剤12)はこの目的に沿うものである。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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