文献詳細
臨床報告
Tuberous Sclerosisの一家系について—本邦報告例の眼底所見の分析
著者: 杉田潤太郎1 平田国夫2 渡辺郁緒3
所属機関: 1名古屋大学医学部眼科学教室 2名古屋保健衛生大学眼科学教室 3浜松医科大学眼科学教室
ページ範囲:P.1047 - P.1051
文献概要
Tuberous sclerosisは,顔面の皮脂腺腫,癲癇発作,精神薄弱を主微候とするもので,Bour-neville (1880)がこのような症状を呈する患者の大脳皮質に,結節性硬化巣を見出し,結節性硬化症という独立した疾患として報告した。その後van der Hoeve1)が本症に眼底腫瘍を発見し,後に他の疾患をも含めphakornatosesなる概念で統一した2)。
今回著者らは典型的な本症の患者に網膜腫瘍を見出し,その母親にも同様の皮脂腺腫と網膜腫瘍を観察する機会を得たので報告する。
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