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臨床報告
慢性関節リウマチ金療法による角膜金症
著者: 亀山和子1 内田幸男1 並木脩2 森崎直木2
所属機関: 1東京女子医科大学眼科学教室 2東京女子医科大学整形外科
ページ範囲:P.1053 - P.1057
文献購入ページに移動1927年にLandieによつて金療法が有効であると報告されて以来,欧米では約40年の歴史をもって慢性関節リウマチの主療法の一つになつている。本邦でも1960年頃より広く用いられ,慢性関節リウマチの治療に重要な役割を果たしている。しかし副作用のために中止をせざるをえない症例に遭遇する。副作用の代表的なものは,口内炎,皮膚炎,蛋白尿などがあげられるが,時には造血器への障害もあるといわれている。しかし重篤なものは幸いにして少ない。近年,副作用ではないが金療法によつて生ずる一つの変化として,角膜金症が話題にのぼつてきた。この角膜金症は古くは1935年頃より報告1)かあるが,稀なものとされてきた。本邦においては1972年の金子2)の報告を第1例として,Hashimoto3),藤田4)とつづいてかなりの頻度に発現するという報告がある,著者らも金療法中の患者45人を調べたので報告する。
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