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総説
色覚の発生機序
著者: 御手洗玄洋1
所属機関: 1名古屋大学環境医学研究所
ページ範囲:P.1123 - P.1133
文献購入ページに移動はじめに
20年前であつたら色覚の発生機序を神経生理学に問うことなど何もなかつたであろう。
当時ですら,色覚はまだ遠い心理現象であつた。しかし以後のわずかな間に数々の発見が相次いで,その問いがいまここに向けられるようになつたのは,同じ期問これにかかわりをもつた者にとつて大きな感慨である。もちろんこの発展は,色盲の研究,心理物理的研究,視物質の化学などことなつた多くの分野の研究から独立したものではない。ただこれらとの関連の上に解説することは到底筆者の能力の範囲でないので,ここではかかわつた範囲の神経生理学だけからの答案を書いて責をふさぐことにしたい。
20年前であつたら色覚の発生機序を神経生理学に問うことなど何もなかつたであろう。
当時ですら,色覚はまだ遠い心理現象であつた。しかし以後のわずかな間に数々の発見が相次いで,その問いがいまここに向けられるようになつたのは,同じ期問これにかかわりをもつた者にとつて大きな感慨である。もちろんこの発展は,色盲の研究,心理物理的研究,視物質の化学などことなつた多くの分野の研究から独立したものではない。ただこれらとの関連の上に解説することは到底筆者の能力の範囲でないので,ここではかかわつた範囲の神経生理学だけからの答案を書いて責をふさぐことにしたい。
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