文献詳細
文献概要
特集 第31回日本臨床眼科学会講演集 (その1) 学会原著
強度遠視を伴つた小眼球症に合併した高度な網脈絡膜剥離
著者: 浅原典郎1
所属機関: 1信州大学医学部眼科学教室
ページ範囲:P.69 - P.80
文献購入ページに移動1963年Schepens1)は特異な眼症状を呈した無裂孔性網膜剥離,17例30眼を報告し,新しい疾患概念として,uveal effusionを提唱した。更に,1975年Brockhurst2)は,5例の小眼球に合併した続発性網脈絡膜剥離の症例を"Nanophthalmoswith uveal effusion"として報告し,小眼球ととuveal effusionの関連性に注目している。
近年,Brockhurstのこの報告に引き続き,本邦でも,弓削3),別所4),倉知5),岡田6),当麻ら7)によつて,一連の詳細な報告がなされているが,本疾患には依然として不明な点が多く,その病態,病因についても,いまだ十分解明されていない。今回著者は,同様な症例において,手術を施行し,その際得られた組織を組織学的に観察すると同時に,その術前,術後を通じて得られた螢光造影所見と比較検討することにより,本症例の病態について,若干の知見を得たので報告する。
掲載誌情報