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臨床報告
網膜静脈閉塞症における視力予後—黄斑部微小血管系との関連について
著者: 新家真1 石井正子2 川村正2
所属機関: 1東京大学医学部眼科学教室 2東京大学医学部付属病院分院眼科
ページ範囲:P.1521 - P.1526
文献購入ページに移動網膜静脈閉塞症6,7,10,16,21,22,24,25,28)は,しばしば重篤な視力障害を来たすが,その予後は一定せず比較的良好な視力に回復する症例がある一方,高度の視力障害を残すものもある1,9,13,19,22)。そこでもし本症の初期の所見より,その視力予後を推定する事が可能ならば,臨床上の価値は大きいと考えられる。
従来,本症における視力低下は主に黄斑部網膜の障害程度に左右されるものである1,7〜9,27,28)事が知られており,その結果として生ずる初発時の視力障害の程度12)や,閉塞静脈と黄斑部との位置関係4,9)等が,視力予後に関係する因子であるとされて来た,また近年Clemettら3)は,螢光眼底造影の所見より,特に中心窩をかこむcapillaryarcadeが完全に保存されているか否かが,視力予後を考える上で重要であると報告した。
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