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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科32巻11号

1978年11月発行

文献概要

臨床報告

Penalizationによる弱視治療—特にFar Penalizationの適応と効果について(松尾信彦教授開講5周年記念論文)

著者: 宮崎富重1 野崎恵子1 渡辺好政1

所属機関: 1岡山大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.1527 - P.1533

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緒 言
 Penalization (以下P.と略す)はアトロピンとレンズ負荷による弱視斜視治療方法の一つであり,いろいろな段階的方法が報告されている。その主な適用についてはQuéré1),Catrosら2〜4)によると0.4未満の弱視にはNear P.,0.4以上の弱視にはFar P.,そのいずれでも視力の出ない場合はComplete P.,その後Alternating P.を経てSlight P.へ移行するのが基本とされる。ところが不同視弱視または斜視弱視においても弱視眼の方が遠視度が強く,弱視眼に+3Dの過矯正を行なうNear P.は眼鏡装用上適用し難い例が臨床上よくみられる。もしもこういう症例にNear P.を省略してFar P.から治療を開始して良好な結果が得られるとしたら,治療上大変有利なことであり,また治療期間の短縮,経済的負担の軽減にもつながると思われる。こういう理由からわれわれは多くの症例にFar P.から治療を開始し,その効果,適用について検討を行なつてみた。またFar P.の次の段階としてAltemating P.も省略してすぐSlight P.に移行した。ここにその結果を報告し,あわせてPenalizationの作用機序について若干の考察を加えることとする。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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