文献詳細
文献概要
臨床報告
眼底出血を伴う網膜色素変性症の2例
著者: 原田敬志1 安間正子1 安間哲史1 市川宏1
所属機関: 1名古屋大学医学部眼科学教室
ページ範囲:P.1629 - P.1636
文献購入ページに移動網膜色素変性症に伴う眼底疾患としては白点状網膜炎(Franceschetti et al.1))や中心性網膜炎(霜鳥・大塚2))の報告があるが,これらと同様珍しい合併症としてコーツ症候群の合併が知られている。これらは1956年,Zamorani3)によつて最初に記載されついでMorgan & Crawford4),Sch-midt & Faulborn5)そしてSchmidt & Faulborn6)によつて紹介されており,わが国でも吉田・中島7)により報告された。
ここに述べる自験例は浸出性変化や網膜剥離のない点で上記の記載例とはかならずしも一致しないが,血管にanomalyのあることから上述の範疇に属するものと思われる。臨床経過を報告し文献的考察を二,三付け加える。
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