icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床眼科32巻12号

1978年12月発行

文献概要

臨床報告

フロントガラスによる穿孔性眼外傷に関する実験的研究

著者: 木村肇二郎1 藤野豊美2

所属機関: 1慶応義塾大学医学部眼科学教室 2慶応義塾大学医学部形成外科学教室

ページ範囲:P.1641 - P.1647

文献購入ページに移動
緒 言
 フロントガラスによる眼外傷のうちで穿孔性眼外傷の占める頻度はきわめて高く慶大眼科の過去3年間の統計でも約82%に穿孔性眼外傷が出現している。しかもこれらの外傷の予後は悪く受傷例の40%が光覚以下の失明状態に至つている。これはわが国と同じ材質の強化ガラスをフロントガラスに使用している西ドイツの統計においても同様であり,Müller-Jensenら1),Hollwichら2)はその失明頻度をそれぞれ44%,38%と報告している。一方Hassら3)はHPR (high penetration resistant)合わせガラスによる眼外傷は強化ガラスによる眼外傷に比較してその頻度,重症度ともに低いことを報告しており眼外傷を予防するためにはフロントガラスの材質が重要であることを強調している。そこで今回著者らはフロントガラスの材質差によつて穿孔性眼外傷の頻度や重症度に差があるか否かを明らかにすると同時に穿孔性眼外傷の機序を解明することを日的として現在市販されてい部分る強化ガラスおよびHPR合わせガラスの2種類を用いてダミー眼窩に豚の新鮮眼を固定し衝突実験を行つたのでこれらの実験方法,および結果について報告し,またフロントガラスによる穿孔性外傷の出現機序についても併せ報告する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら