文献詳細
臨床報告
いわゆるOphthalmic Graves' diseaseについて
著者: 池田英子1 雨宮次生1 小西淳二2
所属機関: 1京都大学医学部眼科学教室 2京都大学医学部核医学教室
ページ範囲:P.1649 - P.1653
文献概要
Gravcs病(Basedow病)は1786年Parryにより動悸を伴つた甲状腺腫,1835年Gravesにより甲状腺腫,頻脈,眼球突出を伴う女性の甲状腺疾患として,また1840年Basedow1)により,Exoph-thamus durch Hypertrophie des Zellgenebes inder Augenhöleという表題で,甲状腺腫,著明な頻脈,身心の不安,あるいは下痢などを伴つた3例が報告されて以来,数多くの報告があり,一般的には甲状腺機能亢進症のうちで,びまん性甲状腺腫に基づくものを指していて,定型的な場合は眼球突出を伴うものである。
しかし,甲状腺機能正常(euthyroid)にもかかわらず,眼の異常所見の認められるものもあり,1945年RundleとWilson2)により,甲状腺腫と甲状腺機能亢進を伴わずGravcs病の眼症状を呈する症例が報告されて以来,いくつかの報告がなされている。
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