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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科32巻12号

1978年12月発行

連載 眼科臨床レントゲン診断学・12

各論(9):眼窩のCT

著者: 丸尾敏夫1 桐渕利次1

所属機関: 1帝京大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.1682 - P.1683

文献概要

 コンピューター断層法computed tomography (CT)は人体を通過してきたX線量を測定し,これをコンピューターで処理し,従来得られなかつた部位の横断面や冠状断面の画像の構成を行う診断法である。1972年Hou-nsfieldが発表した機種も,その後改良を重ね,現在では3〜10秒という短時間で1スライスの撮影が終るようになつている。CTによつて,眼窩,視神経,外眼筋および副鼻腔の状態が横断面および冠状断面で描写されるので,CTは眼窩疾患の診断に有力な情報をもたらす必須の診断法となつてきた。
 眼窩のCT診断法は,水平断面撮影については,視神経がスライスに含まれるように,眼窩下縁と外耳孔とを結ぶ線,すなわちReid's basc lineを基準として,これに平行に5〜10mmの間隔で2スキャン・4スライスの撮影を行う。また,眼窩内病変の上下へのひろがり,あるいは視神経および外眼筋との関係をみるために,外耳孔を基準にReid's base lineに垂直な冠状断面撮影を随時行う。コントラストを強くして,画像を一層明らかにするために,60% Urografin 100ml点滴静注による増強法enhancementが行われることが多い。眼球に対する水平断面が左右眼で異なると,片眼の眼球突出があるように映像されることがあるので注意せねばならない。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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