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特集 第31回日本臨床眼科学会講演集 (その2) 学会原著
特発性網膜前黄斑部線維症における大視症の臨床的意義
著者: 吉岡久春1 上原真幸1
所属機関: 1久留米大学医学部眼科教室
ページ範囲:P.223 - P.231
文献購入ページに移動Wiseは1),網膜内境界膜のwriklingを主要所見とする網膜前黄斑部線維症という疾患の概念を明らかにし,これには特発性と続発性のものがあることを述べた。この網膜前黄斑部線維症は網膜内境界膜付込が病変の場と考えられている比較的新しい黄斑部疾患として近年注目されるようになつた2〜13)。
本症の自覚症状としては,従来,視力障害,変視症,小視症,中心暗点,稀に光視症などがあげられているが,これらの発生機序についてはほとんど説明がなされず,しかも不明な点が多い。著者らは本症に大視症を訴えた症例を経験したので,以来注意して本症における大視症の有無を検査した結果,本症の自覚症状として従来全く記載のない大視症が,かなりの頻度に存在することを見いだした。
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