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特集 第31回日本臨床眼科学会講演集 (その2) 学会原著
アルゴンレーザー光凝固による後極部疾患の治療について—その2 血管病変(新生血管の凝固)
著者: 天野清範1 藤田邦彦1 落合富士也1 千代田和正1
所属機関: 1埼玉医科大学眼科学教室
ページ範囲:P.243 - P.249
文献購入ページに移動アルゴンレーザー光の特性である高エネルギー密度,強集束性,小凝固点の得られることなどを利用して,後極部疾患の精密凝固が安全かつ確実に行なわれることは既に述べた1)が,更にこれらの特長に加えて1960年代の終りよりL'Esper-ance2)が主張した如く,アルゴンレーザー光の波長が血液のヘモグロビンへの吸収率の高いことを考慮して,血管病変の凝固にも応用されている。血管病変の光凝固の目標は血管壁であり,現在ではこの理論は必ずしも正当とは考えられないが3),アルゴンレーザー光凝固の病的血管の凝固効果については,多くの人々により報告されている。
今回,過去1年間に行なつたアルゴンレーザー光凝固の症例のうち,血管病変特に新生血管の凝固を行なつた症例につき,凝固条件および凝固結果を検討したので報告する。
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