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特集 第31回日本臨床眼科学会講演集 (その3) 学会原著
18 Trisomyの眼所見
著者: 酒井寿男13 渡辺みどり13 山中龍宏2 菱俊雄2 大河内雄幸3 渡辺郁緒3
所属機関: 1遠州総合病院眼科 2遠州総合病院小児科 3浜松医科大学眼科
ページ範囲:P.393 - P.399
文献購入ページに移動Edwardsら1)により最初に報告された本症候群は,E群18番目の染色体が3本みられるもので比較的稀な先天異常である。その頻度はSmith2)によれば,1,000の出産に対し0.3とされている。性差は4対1で女に多く3)症例の90%は1歳未満に死亡する。眼に関連した変化は,眼窩と眼瞼の異常に基づくものを含めれば報告例の50%にみられるとされている。臨床的には小眼球症,虹彩欠損,青色強膜,硝子体動脈遺残,視神経萎縮を伴つた先天緑内障4),両眼の瞬膜5)などの報告があるが,本症候群の眼病理組織像についての報告は少なくわが国においては未だみられない。このたびわれわれは18 trisomy syndromeの典型例を自験し,その眼球を検索する機会を得たので報告する。
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