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特集 第31回日本臨床眼科学会講演集 (その3) 学会原著
後部強膜炎の臨床経過
著者: 渡辺千舟1 丸山俊郎1 中山周介1
所属機関: 1大阪医科大学眼科学教室
ページ範囲:P.401 - P.407
文献購入ページに移動強膜炎の名のもとに,臨床上広く親しまれてきた疾患は,強膜前半部に主病変の場がある,いわゆる前部強膜炎に属する型である。
これに対して,後部強膜炎は後極部附近におきる強膜の炎症病変の総称で,1902年Fuchs1)が,視力障害,球結膜の充血と浮腫,眼痛および乳頭,網膜の硝子体内への膨隆を認めた1例を,後部強膜炎として報告したのを初めとするが,今日までこの疾患の臨床例は極めて少なく,かつ,ほとんどが1例報告にすぎない。著者らはFuchs1)の診断基準に合致する例を1972年に経験して以来,現在までに3症例を経験したので,その臨床所見,経過について報告する。
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