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臨床報告
新しい色覚検査表の試作 フリーアクセス
著者: 田辺詔子1 市川宏2 深見嘉一郎3 川上元郎4
所属機関: 1名古屋第一赤十字病院眼科 2名古屋大学医学部眼科学教室 3京都府立医科大学眼科学教室 4日本色彩研究所
ページ範囲:P.479 - P.487
文献購入ページに移動先天色覚異常の検査の第一段階は色覚検査表である。検診などの際それだけである種の診断がなされてしまう場合も非常に多い。その是非はさておいて,色覚検査表だけでも大過ない判定のできる表が望まれる。1973年改正された学校保健法に「色覚は色覚異常検査表を用いて検査し,色覚異常の有無及び程度を明らかにする」とあるため学校関係者からもこの目的に合う色覚検査表の要望が強い。
今まで各種の色覚検査表の成績の報告は枚挙に暇がない。これらの報告を総括すると,検出表としては石原表の数字表(国際版)が定評があり,これをpassする異常者はあるけれども例外的なもので,正しく使えば異常者をほとんど全部検出できると思われる,しかし学校など検診の場で国際版石原表が使われていることは少なく,一般に学校用石原表が使われている。学校用石原表は国際版に比べて検出能力が劣る。著者の1人は学校用でpassしたもの82名を国際版とアノマロスコープで再検査し,その中から19名の異常者を発見している1)。東京医大表,AO-HRR表も検出能力は石原表国際版に及ばない。
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