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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科32巻3号

1978年03月発行

臨床報告

眼内細網肉腫の2例と診断上の問題点

著者: 大平明彦1

所属機関: 1東京大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.489 - P.494

文献概要

緒 言
 悪性リンパ腫全体のうち,眼にも腫瘍細胞の浸潤が認められたものは1.5ないし3.1%であつたという報告がある1,2)。眼悪性リンパ腫のうち,眼内細網肉腫は2%以下の頻度と考えられる3)。眼内細網肉腫はこの様に稀な疾患であり,現在眼病理学的に証明された眼内細網肉腫は29例報告されている3〜19)。日本では吉岡らによる1例の報告があるのみと考えられる4)。しかし,近年日本では細網肉腫の増加は著しく20),眼科医も注意を払うべきであろう。東大眼科では過去7年間に2例経験した。
 眼内細網肉腫は,ブドウ膜炎症状を呈する事が多いとされている5,17)。われわれの経験した2例のうち,1例は前部ブドウ膜炎症状は示さなかつたが主として乳頭炎様症状を呈した。他の1例は,著明な前房蓄膿を伴つた虹彩毛様体炎の症状を示した。いずれの例も初期の診断が困難であり,診断・治療上の問題があつた。死後行なわれた病理解剖の所見を含めて報告する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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