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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科32巻3号

1978年03月発行

臨床報告

Behçet病患者の血液凝固能について

著者: 安藤文隆1 佐竹成子1 加藤美代子1 鯉江捷夫2 神谷忠2 緒方完治2

所属機関: 1名古屋大学医学部眼科学教室 2名古屋大学医学部第一内科

ページ範囲:P.495 - P.499

文献概要

緒 言
 Behçet病患者では,血沈値の促進しているものが多く,増悪期の前後にはより著明になつているものが多い。そして血沈促進に関与する可能性のある血清中の因子としては,アルブミン量,グロブリン量,A/G比,γ-グロブリン量,ブイブリノゲン量等が考えられるが,これらの因子と血沈値との間の相関関係を調べたところ,フィブリノゲン量と血沈値との間に,きわめて高い正相関が認められ,この血沈の促進因子は,主にフィブリノゲンであることがわかつた1)
 一方,Behçet病患者の血液凝固および線溶系については,Chajekら2,3)は,フィブリノゲンと第Ⅶ因子活性の著明な上昇と線溶能の明らかな低下を認め,中山ら4)は血小板凝集能の上昇を報告している。また斉藤5)は,眼発作の2〜3日前から線溶能は低下し,眼発作期には低値が続き,その後しだいに上昇して数日のうちに間歇期の値にもどると述べている。そして,血栓性微少循環障害がBehçet病の組織の初期病変としてあり,これが多核白血球遊出を伴う急性炎症を誘発する6)との説につながつている。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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