文献詳細
特集 第31回日本臨床眼科学会講演集 (その4)
学会原著
視路交叉異常が推定される斜視3例の比較
著者: 筒井純1 深井小久子1 中村ヤス子2
所属機関: 1川崎医科大学眼科学教室神経眼科部門 2宮田眼科
ページ範囲:P.571 - P.575
文献概要
視路の交叉異常が推定されるヒトの斜視例について筒井,深井1,2)は現在までに2症例と,その発生頻度3)について報告した。今回は更に1例が宮崎県で検出され,川崎医大で精密な検査を行うことができた。本例は中村4)が1975年に「交代性非対称むき追従運動を示す外斜視の1例について」として記載した症例であるが,その当時は視路交叉異常に関する推定がなされていなかつた。非常に特有な眼球運動が注目されていた。ここに過去の2例と共に3例の比較を行つた。
シャムネコの視路異常の発見はGuillery5)が1969年にはじめて行い,動物実験で6〜13)次々と確認され,Guillery type strabismusとさえ称せられるようになつているが,ヒトでその可能性を指摘した症例の報告は,私ども1)が最初である。
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