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特集 第31回日本臨床眼科学会講演集 (その4) 学会原著
Rebound Nystagmusの診断的意義—眼振発生機構に対する考察
著者: 山崎篤巳1 鈴木高遠1
所属機関: 1北里大学医学部眼科学教室
ページ範囲:P.615 - P.621
文献購入ページに移動反発性眼振(Rebound Nystagmus)は1973年Hoodらによつて提唱されたもので,側方注視麻痺性眼振が時間の経過とともに減衰し(時に静止した後逆転することもある),正中視に戻すと側方注視時と眼振の方向が逆転し,この眼振も時間の経過とともに減衰消失する特異な眼振である。彼らは慢性の小脳障害(特に小脳半球病巣)にこの眼振を認め,脳幹障害だけではこの眼振を認めないことから小脳障害の有無の診断に有用であると述べている1)。この眼振が小脳病変に特異的であるかどうか,また眼振の発生の機構はどうなつているかなどが,今後検討していかなければならない重要な点である2)。
わが国においては耳鼻科領域でわずかに報告があるが3〜5,12),眼科領域では報告がない。しかし,最近われわれは眼科初診患者の2症例に反発性眼振を認め,病変部位診断に非常に重要な眼振であることを脳外科手術時の病変部位確認から知つた。そこで,脳外科的に小脳病変部位が確認できた2症例について,術前に記録分析した反発性眼振の特徴,検査法について詳しく述べる。また,反発性眼振の発生機序につき,注視眼振(漏洩積分器眼振)の発生機構のモデルを提示し考察を加え,新しい小脳片葉障害説について述べる。
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