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臨床報告
瞼裂縮小症の形成手術
著者: 田辺吉彦1 杉田潤太郎1 柳田和夫1 小宮山和枝1
所属機関: 1名古屋大学医学部眼科学教室
ページ範囲:P.673 - P.677
文献購入ページに移動瞼裂縮小症は眼瞼下垂,逆内眼角贅皮を伴うtriad syndromeとしてくることが多く,わが国では比較的多い先天異常であり,散発例もあるが,常染色体優性遺伝をするといわれている1〜3)。この疾患は上記3症候の他にも種々の所見があるが,R.Kohnら3)はtelecanthusを必発としている。そうしてこの患者の顔貌を著しく醜くしている主な因子はこの四つである。それゆえ,この手術的矯正には上記4症候の修正が必要である。すなわち,瞼裂狭小には外眼角形成術,眼瞼下垂には下垂の手術,逆内眼角贅皮には内眼角形成術を行ない,更にtelecanthusに対しては内砦靱帯短縮術を行なうのであるが,内眼角および外眼角の形成手術には非常に多くの方法が発表されている。われわれは最近この2症例に対して,内眼角形成にはMustardé4)法を,眼瞼下垂に対しては,1例は上眼瞼挙筋短縮術,今1例にはズプラミッドによる吊上法を行ない,外眼角形成には,水平切開に三角弁を組合せた作図を考案して(図9)三角弁を上眼瞼へ組入れるという方法で手術をし,ほぼ満足すべき結果を得た。本疾患の手術に関する論文は我国では比較的少ない5〜8)ので,ここに報告したい。
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