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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科32巻4号

1978年04月発行

文献概要

眼科手術研究会

人工水晶体Four Loop Lens手術中の合併症—特に硝子体膨隆および脱出に対して

著者: 竹内光彦

所属機関:

ページ範囲:P.707 - P.713

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緒 言
 普通型通りの水晶体全摘出では硝子体脱出を起こさないで手術を完了させることができる。しかるに人工水晶体を挿入する因子が加わることにより硝子体脱出を起こす症例が多くなる。少量の硝子体脱出したものでは人工水晶体挿入は術後障害とならず多くは合併症を残さないが,大量に硝子体脱出を生じた場合には挿入が困難となり,あえて挿入しても線状角膜炎,葡萄膜炎を強く起こし,そのもつとも予後不良なのは角膜内皮障害(Endothelial corneal dystrophy,ECD)や黄斑部嚢状浮腫の原因となり,視力回復を期待しえなくなる。
 一方,水晶体全摘出後硝子体面が後退しているような症例では人工水晶体の挿入は容易である。しかし何時もこのような症例ばかりではなく硝子体面の膨隆の強い症例では6時の虹彩にループを挾めるのは非常に困難であり,操作中容易に硝子体脱出を偶発するものである。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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